まずは、この映像を見ていただきたい。
著者の私は、まさに”あの頃、勇者”でした。
「よかったら、ドラゴンクエスト11のクラシックコンサートのチケットがあるのでいきませんか?」
8/7 LINEが来た。
内心(オーケストラかぁ・・・けど、ドラクエだしなぁ行ってみよっかな)
「行く!」
あまり楽しめそうな気分は正直せず、まぁ行ってみよっかな。それくらいの気分でした。
当日、会場に着き現場に行けば少しだけ心躍るような気分で開演を楽しみしている自分もいました。
会場に入ると、やはりそこはオーケストラのコンサート会場。格式が高そうで、到底自分には触れた事な環境。そして、爆笑などをする事は絶対にない。そんな雰囲気でした
異質?異様?な光景はすぐに飛び込んできました。会場で開演を待つ人達の半数以上はDS版ドラゴンクエスト11をプレイしている。毎日眉間にシワを寄せていそうな人や、一切の冗談が通じなさそうなお堅そうなキャリアウーマン風の女性。夜の街にでるとどこにでもいそうな焼けた肌の男性。太陽をまだ見たことがないですいわんばかりの真っ白なきれいな肌に到底子供とは思えないほどの分厚いレンズの眼鏡をかけた少年。
すべての人が一同に会しこのドラゴンクエスト11の交響組曲初演を今や遅しと待ちわびている。
私は、その光景を見ながらなんとも面白く不思議な空間だなと楽しんでいた。
パンフレットに目を通し、「わかる曲は序曲だけだなぁ」と思いながらも聞けばわかるかななど思いながら開演を迎えた。
18時になり、会場の舞台に東京都交響楽団の演奏者の方々がなだれ込むように入ってくる。
その瞬間に会場では、大きな拍手。
「ほえー、オーケストラってこんな感じで始まるんだー」なんて思いつつ、演奏者のみなさんが軽くを音を合わせる。
その直後、伝説とも言える”すぎやま こういち”氏が、登場した。
先ほどとは比べ物にならないほどの大きな拍手。やはり伝説はすごい。
その歩く姿は、かわいいおじいちゃん。ピコピコと音が聞こえてきそうだ。
指揮者の台には、手すりと椅子がありご年齢のせいなのかなどと考えながら、伝説の方を見ていた。
そのまま、指揮台?へと上がり、腕を振り上げる。
開演
すぎやま氏の指す方から音が鳴り響く。すぎやま氏の動きに合わせ、演奏者たちが波打つように動くそして序曲が始まった。
その瞬間に目で見ていたものは、とてもご老人とは思えぬ切れ、すべての演奏者達をの指揮をとっている。生で聞く初めてのオーケストラの曲は耳から全身へ鳥肌をもたらし、そして骨まで伝わるほどの響き。すぎやま氏から伝わる演者すべての躍動感
会場の人すべてをすぎやま氏が一つに。
これまで何度も耳にした曲とは思えないほどの感動。
走馬燈のようにドラクエにまつわる事、それとリンクし思い出される当時の思い出。
母にファミコンを隠され、トイレに5時間籠って母と対決した幼稚園時代
父にパチンコ屋の景品で意地でも取らせたドラクエ2
近所のヤンキーにカツアゲされたドラクエ3
隣の家の子に割られたドラクエ4
友達の家で一緒に進めたドラクエ5
学校にも行かず、外にも出ず。友達と母がひどく心配してくれてみんな優しいなと思ったドラクエ6
3Dになりみんながドラクエをしなくなった。そして自分のお金で初めて買ったドラクエ7
より、リアルになり本当に回りがドラクエをやめてしまったドラクエ8
東京に出てきて、すれ違いがいっぱいできてよかったと感じたドラクエ9
たくさんの友達がリアフレへと変わり、仕事などでもたくさんの力をかり、圧倒的なネットワークができ、ゲームも人がやっているんだと証明できたドラクエ10
待ちに待ったナンバリングをついに開始したドラクエ11
派生したものも含めてしまえば、まさに走馬燈とはいったもので、わずか2分の間で、思い出したものとは思えないほどの感動。
そして、自分がいかに強くドラゴンクエストというもののそばで人生を送ってきたかた。
鳥山明の絵、堀井雄二のシナリオ。すぎやまこういちの音楽。
この偉大なる三本柱のおかげで、ドラゴンクエストが成り立っていることは分かっている。
鳥山さんの絵と、堀井さんのシナリオはゲームをプレイし始めて体感できる。
すぎやま氏の音楽もそう思っていた。ほんの数分前まで。けど、違った。
すぎやまさんの音楽は、生で聞いて初めてわかるものだと確信した。
きっと、今までの私のようにオーケストラとは無縁の人も多いはず。
今回が初演であり、次回の11の公演は決まっていない。
すぎやま氏のご年齢を考えると、公演回数にも限界があるだろうし、もちろん作曲家さんであるため、ドラクエの事だけではない。
さらにいえば、ほかにすぎやま氏の指揮の公演はあるが、ドラクエ3のものであったりなど、今回の初演は大変貴重なものだ。
感動しすぎて、最初の一曲で満腹になってしまうほどだった。
前半
序曲が終わり、すぎやま氏の語りが入る。
“すぎやまこういち レベル86です”
これだけで、すべてのドラゴンクエストの人が、勇者であると感じた。
そして、このドラゴンクエスト11をリリースするにあたりすぎやま氏は約40曲の新曲を作曲した。
すぎやま氏は、最高齢のゲーム音楽の作曲者としてギネスの認定をもらった事があるらしく、今回もそれを樹立することになるらしい。
プラグラムのテンポは速く、流れるように5曲、
次なる、お話ですぎやま氏が86歳と高齢になった今もドラクエ11をプレイしていることを知る。
それにも驚いたが、すぎやま氏はクリア後周回するらしい。さらには過去作もやるようだ!
完全なるドラゴンクエスト愛である。
休憩に入ると、喫煙所は恐ろしくドラクエの会話であふれていた。
私と同じく、初見の人も多く会話は「序曲」の事ばかり。みんな最初に衝撃と想いを重ね合わせ感動するのは同じ。次も来ようと思うのも同じだ。
後半
休憩があけ、最後まで一気に演奏が続く。
公演前、私は退屈な瞬間が訪れると思っていたが、そんな瞬間は一秒もなく最後まで食い入るように見て聴いていた。
全プログラムが終了し、鳴りやまない拍手の中。
退席した、すぎやま氏が再登場し、ドラゴンクエストの超大作の曲というものがアンコールで演奏された。
ドラクエ4の不死鳥ラーミアの曲。2のフィールドの音など、様々なシーンを思い起す事の出来る素晴らしい曲だった。
最後にもう一度「序曲」が、かかるのではないか。そんな期待もあったが、公演は終了した。
個人的には「序曲」が、MAXではあったが、もう一度聞いてしまっては最初にしか聞けない。あの胸の高鳴りと躍動はあの瞬間に生まれるのだから。聞きたいのはききたいけど、演奏は最初だけにしておかなければいけないものだともおもった。
勇者として感じた
こうやってドラゴンクエストの事を思って聞いてるうちに。発売約1週間で300万本。
あの人気タイトルスプラトゥーンが150万本だと思うと、ドラゴンクエスト11の脅威を感じると同時に、一つの戦闘の音楽にさえこれだけの偉大さを感じる。すべてを予期していたかのようなシナリオ。圧倒的な迫力を与える絵。どれをとってもかなわないわけだなぁと感じた。
もちろん。それはこのドラゴンクエストの30年の歴史が自分にこれだけの感動を与えた。
ドラゴンクエストのプレーヤーでおそらく、クラシックコンサートを見た事のある人は一割。それにも満たないとも思う。
初めてクラシックコンサートにいって。自分は今日までめちゃくちゃ損をしていた。としか感じなかった。
GAMEとesportsの違い
今。esportsに関わりながら、このNext Stormを進める中、よく耳にしてきた「ゲームとesportsの違いは?」という問い。
正解はもちろんある事ではないが、簡単いえば競技か競技じゃないか。
という事で自分の中では、収めてきた。
しかし今回、公演でその答えを導き出した
ゲームはプレーヤーが感動をいただくもの
esportsはプレーヤーが感動を与えるもの
世界観や、ゲームシステム、シナリオなどで作品から感動をもらうのがゲーム。
その世界の住人となることで感動できるのがゲーム
そのタイトルをプレイし、人に見せ、技術を生かすことで見ている人に感動を与え、シナリオをプレーヤー作っていくものがesportsだという答えにたどり着いた。
これから先、Next Stormの活動をしていく中でドラゴンクエスト1(一回目の寄付)を成し遂げた時に初めて、自分たちの活動の第一歩となる。
分かっていたつもりではいたけど、それを確実に感じ取り、受け止める事ができた。
これからNext Stormの未来はどうなるかはわからないけど、続けていく事でおのずと歴史というなの軌跡が残る。
また、近いようで別のモノに触れることで何か感じ取れる機会があれば足を運んでみよう。
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